「頼もしい」「個性的」「鶴の一声」「感動を与える」「独断」「御立派」「思いの外」「検討に値する」「さすが」……何の気なしに使っているけれど実はマイナスな意味があったり、使い方を誤ると失礼になりかねない言葉の数々。
無礼な言葉を学べば、正しい配慮ある言葉遣いが身につくとともに、いざというときには格調高く教養あふれる語彙を駆使し、不埒な輩を優雅に罵倒することも出来るはず。どうぞ、より奥深いコミュニケーションの世界に分け入ってください。
タイトルを見て「面白そうだし勉強になりそう」と思って手に取ったのですが、読みながら「ああ、プロの文章でもこんな間違い方をしているの、あるなあ」とうなずきつつも「自分も間違った使い方をしているのでは」と冷や汗をかきどおしであったことを白状いたします。
結果、「自覚がある限りでは致命的に勘違いしていたりやらかしたことは多分ない、けれどもぎりぎりなところは結構ある」といったところが自己診断となりました。危ない……。精進いたします。
難しいのは、言葉自体にマイナスな意味があるものより、使い方や相手によって失礼になってしまう場合ですね。下手をするととんでもないことになるかもしれません。
そもそも文脈によってどんな言葉でも良い意味にも悪い意味にも使えてしまうわけですが、それも含め、今後文章を書いたり話したりするときはよりよく考えようと肝に銘じました。
さらには、逆に「反則」や「ずるい」など本来けなす言葉が褒め言葉に使われるように変化していっている例もあるから興味深いです。上げた例は少なくとも今のところは砕けた言い方なので使いどころは限られそうですが、他にもこういった例はあるのでしょう。
言葉って、本当に難しいですね。そして、だからこそ面白いです。姉妹編『品格語辞典』と共に、ぜひどうぞ。(河内長野店 樽野)
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大修館書店
ISBN/JAN
9784469222791