アメリカの大学で教授を務めるサラスバシー教授が博士課程において、熟達した起業家と呼ばれる人々に対して意思決定実験を行った事でこの本書にある「エフェクチュエーション」を発見しました。
簡単に書くと。実験は、全米の成功した起業家で上場経験があり且、10年以上フルタイムで働いた人達が対象です。この対象者に仮想の製品を扱う新会社設立する状況設定より起業家が直面する問題についての意思決定の仕方を研究されたそうです。
この研究でサラスバシー教授が見つけたのは、熟達した起業家がそれまで存在しない製品を事業化するという極めて不確実性の高い問題に対して共通の論理を好んで活用していた事です。
別々の起業家が共通の論理を使っていたということは、再現性が高いということです。それは、誰でもやろうとすればできるということです。
しかし、この論理は、明確な目標がある場合や市場が順調に拡大している(予想可能)な場合は、通常よく使われるコゼーションを使用した方が良いとも本書では書かれております。
エフェクチュエーションはあくまでも不確実性が高く、自分が持っている物を利用しつつ新しい事、物を生み出す為の考え方と思い使われた方が良いようです。
本書では共著の中村さんがご自身の起業をされるまでの話とエフェクチュエーションを絡めて書かれているので、私の様な経済学に馴染みのない人でも読めるのではないでしょうか。
また、起業家の奇抜なアイデアも実は、エフェクチュエーションがあったから生まれたという物もあるようです。
いくつかの事例もありますので、気になる方は一度手に取って見ても良いと思います。
本格的に知りたい方は本書共著者吉田満梨神戸大准教授が翻訳メンバーの「エフェクチュエーション:市場創造の実効理論」(碩学社)が良い様です。皆様の一助になりますれば。(武蔵境駅前店 k・y)
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出版社/メーカー
ダイヤモンド社
ISBN/JAN
9784478110744