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残穢

小野 不由美(著/文)

ホラー作家の「私」のもとに読者から届いた、奇妙な実体験を報告する手紙。引っ越したばかりのマンションの部屋で、不可解な物音がするという。「私」たちはそれをきっかけに、マンションの立つ土地の過去を探っていくことになる……。

ホラーです。ものすごく怖いです。

ただし、物語の中で、「どう考えても合理的な説明が付けられそうにない明らかな超常現象」は一切起こりません。登場する怪異は全てささやかで、「畳を擦る音」「赤ん坊の泣き声」「床下を這い回る音」など、不気味といえば不気味だけれど、実話怪談でありがちな「気のせいだよ」「どこかから音が伝わってきているだけでしょう」で納得できてしまうようなものばかり。語り手は終盤近くになっても「全ては虚妄だったのでは」と考えたりします。

文章は淡々としているし、登場人物もみんな冷静で理性的な人ばかりで、何だか気味が悪いなとは思っても、誰ひとりとして「祟られている」などと騒いだり、悲鳴を上げて泣き叫ぶような真似はしません。従って、そういう派手な展開をお好みの方には正直お勧めできません。

こう説明すると、「だったらそもそもホラーではないのでは?」と思われるかもしれません。そんな地味な話ばっかりで何が怖いんだ、と。

ですが、読んでみてください。ささやかな怪異といたって平凡な土地の歴史が遡っていく中で微妙な符合を繰り返し、全部偶然で気のせいかも、でももしかしたら……と読み進めるほどにどんどんぞわぞわが募っていき───タイトルの意味が分かったとき、世界の全てが怖くなります。(河内長野店 樽野)




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  • 出版社/メーカー


    新潮社




  • ISBN/JAN


    9784101240299








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