江戸は世界有数の大都市だった。
とはいえ少し歩けばのどかな農村も広がり、もちろん夜は暗闇だ。
人々の息遣い、雑踏、寂しい雰囲気のリアルな描写。
そのしっかりした背景が臨場感を増してくれる。
さて同心・井原伊十郎の好敵手が、怪盗「ほたる火」だ。どうやら女らしい・・・。しかも絶世の美人。
全巻を通じて翻弄され続け、なかなか面目が立たない。
だがそれぞれの巻に出来する難事件は「チーム伊十郎」ともいうべき部下たちや、三味線の師匠おふじら
市井の人々の協力によって見事に解決していく。その敏腕ぶりには胸がすく。
そんな多忙な日々、並行して進むのが自身の婚礼問題。「春待ち同心」といわれるゆえんだ。
奔放な姫君、百合のつれない態度に右往左往するさまのだらしなさと言ったら・・・
「しっかりせえ」と声をかけたくなるほどだ。
果たして伊十郎に春は訪れるのか!?すべての伏線が回収される最終巻を読んでのお楽しみである。
これまで好んで時代小説を読んでこなかった。もったいなかったと思った!
時空を超えて江戸の街を走り回らせてもらい稀有な読書時間を堪能した。(溝ノ口本店 太田)
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コスミック出版
ISBN/JAN
(1巻)9784774765785