幻獣、妖怪、怪物、精霊、異形───古来人類は目には見えない存在を思い描いてきた。この世のキワに存在するかもしれない、怪しくて怖くて不気味で、そして途轍もなく魅惑的な生きものたちが世界中から大集合!
2019年に国立民族学博物館で開催された特別展『驚異と怪異 想像界の生きものたち』の公式図録です。
私は見学に行きました。そしてあまりの面白さに危うく帰れなくなりかけました。あのとてつもなく濃い展示の図録を、一般書店で買える形で刊行してくださったこと、感謝の念に堪えません。
とにかく内容の幅が素晴らしく広くてなおかつ奥深く、古今東西の絵画や彫刻作品はもちろん、祭事や演劇の衣装や仮面、おもちゃ、人魚のミイラに鬼の頭蓋骨、かと思えばヒマラヤの雪男やネス湖のネッシーのぬいぐるみ(かわいい)、世界各地で作られた地誌や博物誌、さらにはコンピュータゲームに登場するモンスターのデザインまで、ありとあらゆる「驚異と怪異」が網羅されていて、人間の想像力と創造力の果てしなさを堪能できます。
平穏な日常の世界からほんの少しだけ外れたところに姿をのぞかせる<何か>の魅力に、どうぞどっぷり浸かってください。おばけ好きには本当にたまりません。(河内長野店 樽野)
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出版社/メーカー
河出書房新社
ISBN/JAN
9784309227818