新型コロナウイルス感染拡大の影響で社会や技術、そして私達の生活が前へ前へと背中をグイグイ押されている。
新しい生活様式とか、新しい働き方という言葉を、毎日当たり前のように目や耳にするけれども、急に背伸びをして足並みを揃えようとすることは、一握りの人達にしかできないことで、少なからず誰しもが多少無理をして背伸びをしているはずだ。
感染拡大以降、様々な自己啓発本が出版されて、これからの社会で生きていくための方法とか、考え方みたいな本をよく目にするけれども、このヨシタケシンスケさんの最新エッセイは、背中にピッタリとくっついて、耳元で「大丈夫。あなたはそのままで大丈夫」と囁かれているような気持ちにさせられる。
どのお話にも、「すべきだ」とか「しなければならない」というような、背筋を伸ばされるような言葉遣いはなく、そしてお世辞にも「この話のゴールはここです!」というような話は一つもない。
でも、だからこそ老若男女の誰しもが共感できるし、世の中には答えのない物事が無限に広がっているんだという学びの姿勢を自然と示してくれている。
普段本を読まない人にも是非読んでもらいたい、学びの一歩を教えてくれる一冊です。(文教堂 青柳)
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出版社/メーカー
新潮社
ISBN/JAN
9784103524526