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夏木志朋/著


子供の頃、世界は学校が全てで、その閉ざされた集団生活の中で、他者との社会は自己完結していた。



 大人になれば、何であんな些細なことで悩み、苦しんでいたのだろうかと思うような事柄でも、子供の頃は、親にも先生にも言えないような問題を抱えて懊悩していたという経験を持つ人は、実は大勢いるのではないかと思う。


 個性が悪目立ちしないように、多数派の中に埋もれて生きていかなければならない独特の息苦しさ。子供の頃にしか味わえない懐かしい感覚。それがこの作品には余すことなく詰まっている。



 クラスメイトとの価値観の相違によって生まれる異端な発言や行動によって、教室ではいつでも「浮いた」存在の高校生・田井中広一。担任の美術教師・二木良平は、男女関係なく生徒達のあこがれの存在。広一は密かに二木に興味を抱いて観察を続けているのだが、実は二木には教師とは違う、誰にも知られてはいけないもう一つの顔を持っているのだった。



少し前まで 「空気を読む」という言葉が流行ったが、大人だけではなく子供にとっても、この「空気を読む」ということは、本当に難しい言葉だと思うし、様々な価値観を持った集団の中で生活しなければならない学校というコミュニティーの中では、言葉を知らなくても、常に「空気を読む」という感覚を試され続けていた。


最近ではずっと「自己肯定感」という言葉がトレンドになっている中、私達は空気を読みながら、いかにして自己肯定感を高めていけば良いのだろうか。その答えは、もしかしたら子供の頃の自分が持っていた、忘れ去った記憶の中にあるのかもしれない。そんな思い出したくもない記憶を呼び覚ます、このまっすぐで生っぽい青春小説は、季節遅れの「裏」課題図書として最高の一冊だと思う。(文教堂 青柳)




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    ポプラ社




  • ISBN/JAN


    9784591167205






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