吹雪吹き荒れる山荘や周りを海に囲まれた孤島など、脱出できない密室に閉じ込められたとき、
「どうして人殺しが起きるのか」、「協力して過ごせばいいじゃないか」、「どうして散り散りになるんだ」、
「そんなことするから人殺しが起きるんだ」と小説のためのしょうがない事情として殺人や軋轢を見て
見ぬふりをしていました。
いままで見過ごしていたこれらの事情は、衝動的な新事実を犯人に告げられたとき、この小説において
見逃してはならないパーツだったと気づき、芋ずる式に今までの事件の真意が明らかになります。
極限状態の緊迫感のなかで進んでいく物語の一方、すべて犯人の手のひらの上で転がされていたという
読後の衝撃を是非味わっていただきたいです。(東陽町駅前店 大塚)
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出版社/メーカー
講談社
ISBN/JAN
9784065292686