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皇帝フリードリッヒ二世の生涯

塩野七生/著

1194年12月26日、南イタリア・イエージの町で、神聖ローマ帝国皇帝ハインリッヒ六世を父、ノルマン朝シチリア王国最後の王女コスタンツァを母として、彼は生まれた。 「玉座に座った最初の近代人」と呼ばれる神聖ローマ帝国皇帝フリードリッヒ二世。中世ヨーロッパ史に異彩を放つ鬼才の、波瀾万丈の生涯の物語。



 『ローマ人の物語』で知られる著者が、稀代の天才にして反逆者であった皇帝を描いた評伝です。


とにかく主人公の人物像が面白い! あらゆる意味でスケールが大きすぎて、読みながらときどき唖然としてしまうほどです。何しろ神聖ローマ皇帝でありながらローマ教会とまともに対立して何度も破門され、「キリストの敵」とまで言われた人である、というだけで並や大抵ではありません。


個人的に一番好きなのは、十字軍史でもある意味最も優れた業績でありながらローマ教会に頭を抱えさせた、「無血十字軍」のエピソードです。十字軍要請をはぐらかし続け、とうとう頭に来た教皇から破門を突きつけられてヨーロッパ中からそっぽを向かれながらようやく出征、あげく一切戦わず時のスルタンとの交渉でこれまで叶わなかったエルサレム奪還を成し遂げてしまったという。もしやこの結果ローマ教会の面目が丸潰れになるところまで計算の内なのでは? と思わされてしまうところがすごすぎます。


教会の権威が揺らぎ始めていたとはいえまだ絶対的であったはずの中世ヨーロッパにおいて多分全くそう思っておらず、政教分離と法治国家を目指し、学問を奨励し、文化事業における功績も絶大です。


ちなみに、数カ国語が堪能で、十字軍の際の交渉は通訳なしに自分で直接行い、その相手だったスルタンとは意気投合してその後も文通を続けたそうです。「近代人」のあだ名は伊達ではなく、本当に時代を数百年先取りしています。13世紀の人なのに。


日本ではあまり馴染みのない時代かもしれませんが、こんな面白い人がいたという事実をお楽しみください。

(河内長野店 樽野)




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  • 出版社/メーカー


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  • ISBN/JAN


    9784101181486 / 9784101181493













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