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今昔ばけもの奇譚

峰守ひろかず/著

武芸よりも和歌や物語が好きな武士・源頼政は、警護を命じられて訪れた宇治で、怪異な事件を調査する羽目に。人魚の肉を食べて不老不死になったという女、「怪物さるとらへび」に襲われた貴族の屋敷、竜宮帰りと称する男……頼政と陰陽師の安倍泰親は、その謎を解けるのか?



平安末期を舞台としたミステリ連作です。


「酒呑童子退治の英雄源頼光の子孫」という目で見られることを重荷に感じている、とても優しくて真っ直ぐな頼政と、「大陰陽師安倍晴明の子孫」という立場にあって陰陽道が妙に神秘的な術と思われることに苛立っている聡明で博識な泰親、どちらも好感の持てる人物で気持ちよく読めます。


怪異と見えて実は何の不思議もありませんでした、という話かと思いきや……なパターンもあるのでぜひお楽しみください。とりあえずかの有名な鵺退治伝説と九尾の妖狐・玉藻前事件の真相だけでも。



主人公ふたりが実在の人物であり、脇に出てくる人々も知っている名前がたくさんあるので、この数十年後の未来を思うとずしっと来るものがあったりもするのですが……特に続刊『今昔ばけもの奇譚 五代目晴明と五代目頼光、百鬼夜行に挑むこと』に登場した高平太とか高階通憲とか、この人たちって……そもそも源頼政も……。


また、古代から中世へ移り変わる転換期の寸前、神秘が神秘であった、ある意味幸せな時代の最後の時期の物語と思って読むと、別の感慨も湧いてきます。本編中にも書かれているのですが、確かに、源頼政の鵺退治伝説って、帝の威光も陰陽道も仏僧の法力も役に立たず、武士の武力(つまり純粋な物理的暴力)によって怪異が解決する話ですね。思わず考え込んでしまいました。

(河内長野店 樽野)




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  • 出版社/メーカー


    ポプラ社




  • ISBN/JAN


    9784591172384












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