ビジュアル・シンカーの脳 「絵」で考える人々の世界
テンプル・グランディン(著)/中尾 ゆかり(翻訳)
帯に「視覚でひらめく驚きの思考・アインシュタイン、イーロン・マスク、スピルバーグ・・・視覚タイプの性能の活かし方、『自閉症の脳を読み解く』著者の集大成」という言葉に惹かれて読み始めました。
著者自身が自閉症であり、動物学者でもあるので、科学的にわかる所は科学的に書かれているが、まだ、脳についてなので分かっていない所もあるので、著者自身の自閉症の体験から推測で書かれているところもあります。しかし、読んでいて成程と思うことが多く示唆に富んでいる本であると思いました。
本書では、言語思考と視覚思考の違い(視覚思考にも物体視覚思考と空間視覚思考の2種類ある)を取り上げるだけでなく、言語思考者と視覚思考者では得意な所が違う事などが書かれています。
個人的には、思考方法の違いがある事で得意分野の違いがあり、お互いに補う事でうまくいった事例が書かれている話や自分の思考(脳)の特性を見極めて早くから多くの経験をする事で自分に合った仕事を探すことの大切さなどの話に興味を持ちました。
本書を自分事として読みたいけれど自分がどちらの思考タイプか判らない人のために簡単ではありますが、思考タイプ判定テスト付きなので、単なる教養としてよむだけでない場合の助けにもなります。
こんな世界もあるのかと思いながら読むもよし、自分と比べて読むもよし、また、自分以外の人がどのように世界を認識しているのかを知るきっかけにするもよしの本。人間に興味がある人にお勧めです。(あきる野とうきゅう店 k・y)
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出版社/メーカー
NHK出版
ISBN/JAN
9784140819425