新作の構想に悩んでいた作家の岡崎隼人は、知り合いの書店員から聞いた話をきっかけに、「書店を舞台にしたホラー」という企画を思いつく。担当編集者に全国の書店員から体験談を募集してもらい、百物語風に書き進める中、彼らは気付く。遠く離れた地方の書店から寄せられた体験談に、奇妙な共通点があることに……。
ありそうでなかった書店モキュメンタリー・ホラー、どうか本を読むのが怖くなりませんように。
読むんじゃなかった!!(褒め言葉)
書店員なのに、自分の職場が舞台だとタイトルで宣言されているのに! もちろんむしろだから喜んで読んだわけですがね、全くこれだからホラー好きってやつは!!
……と自分に呆れつつ、引き込まれて一気読みしました。書店員の目で見ると書店の仕事の細かなリアリティに共感できるという楽しさもありますね。だからこそ怪談もリアルに来るのですが。登場人物のひとりが語る「書店のルーツは『聖なる場所』である」という説もとても興味深く読みました。なるほど。それはつまり、書店とは実はオカルトと相性の良い場であるとも言えるわけですね。
各地から報告されるバリエーション豊かな怪談を楽しむうちに、その裏にある(かもしれない)ものがじわじわと現れてくる恐ろしさ。もちろんその大部分は「偶然」「気のせい」「勘違い」で納得できるものですし、共通点に見えるのもただの「よくある勘違い」かもしれない、とも思えるのですが……。
ラストに一気に押し寄せてくる凄まじい恐怖に、その全ても自分自身も粉砕レベルで滅多打ちにされた気分で呆然としています。
ちなみに当店には怪談話はございません。お客様はどうぞ安心してご来店くださいませ。(河内長野店 樽野)
フェア/カテゴリ
書店員おすすめ
出版社/メーカー
講談社
ISBN/JAN
9784065401569