私にとって歴史小説と言えば古いのかも知れませんが司馬先生です。私が読んだ本は本当にこのように歴史が動いたのではと思うほどでした。米澤先生はミステリーを得意とされていると思っています。そんな、先生が時代小説ではなく歴史小説というジャンルで尚且つ推理や探偵的な話には向かない戦国時代を選んで書くなんて凄いなあと思い手に取りました。
米澤先生の凄いところは主人公に有岡城に籠城する人物を選びその城の中で連続殺人事件が起きてそれを主人公が解き明かしていくという。戦国時代なのに、歴史小説なのに殺人事件が起きてしまう。しかも、これら殺人事件が一件起きるとどうしてこのような殺しがなされたかが分らず、城内では神仏の罰なのではないかという動揺が広がって行く。
その動揺を鎮めるために殺人事件の謎を解かないとならなくなる。そして、土牢に閉じ込めていた官兵衛に謎解きを聞きに行く。歴史上でも官兵衛は捕えられており、この様な事が起こったと言われてもおかしくない状況が作れたのが構想の凄さが垣間見られました。
そして、信長に反旗を一緒に翻った仲間が次々と織田側に寝返って行く中、不可解な殺人事件が解決したと思ったら次の殺人が起こる。それが続くと、籠城した城は真綿にゆっくりと絞められる様な息苦しさと、それに同調するような殺人事件の息苦しさが重なったり、それに絡めとられる様な主人公。そして、歴史小説なので主人公の事実は変わらないが、その行動に理由をつけて収めている所などミステリーと歴史小説の面白さを両方楽しめる本でありました。(河辺店 山岡)
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出版社/メーカー
KADOKAWA
ISBN/JAN
9784041147221